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2021.03.25
つまずきそうな時に支え、背中を押し、進むべき方向に導く!(高尾指導員)
走り書きのメモが嬉しかった。
長くこの仕事をやっているので思い出に残る生徒さんは数多くいます。その中でもあえて一人を選ぶなら、数年前の10代後半の彼でしょうか。
見た目がやんちゃな彼は少し気になる存在でした。学科教習ではいつも教室の後方の隅に座っていました。教習が始まると何故かいつもニコニコ笑顔でした。彼とは教習以外に会話をすることはなかったのですが、卒業検定合格後に突然一枚のメモを渡されました。中身は急いで書いたのか、ほとんど殴り書きのような文字で「勉強は嫌いだけど、学科教習は楽しかった」と書かれていました。短い言葉でしたが彼が考えたお礼だと受け止め、とても嬉しかった記憶があります。
私が担当する学科教習は技能教習と違って一度に多くの生徒さんと向き合うので、どうしても一人ひとりとの関係は薄くなってしまいます。ですが、こういった手紙や感謝の言葉は私にとって宝物です。ちなみに、このメモを自宅で妻に見せたらとても喜んでくれました。
安全運転の大切さ、運転の楽しさ、合格の喜び。
学科教習が苦手という生徒さんがいます。そういった生徒さんを黙って見てはいません。合格の喜びを知ってほしいのです。さらに多くの知識を身につけ免許を取得することで安全運転の大切さを知り、運転の楽しさを感じとってほしいのです。
20年以上も前ですが、新人研修の講師の方が私に言った言葉を今でも忘れません。「この仕事は資格を取ったその日から、先生ではないけれど先生と呼ばれる、だから先生と呼ばれることに相応しい行動をとりなさい」。胸の奥に深く残っています。
自動車学校の主役は生徒さんです。その生徒さんがつまずきそうな時に支え、背中を押し、進むべき方向に導くことが教習指導員の役割だと考えています。生徒さんが自動車学校を卒業して安全に車の運転を楽しんでいただけたら、それが何よりもうれしいのです。